巷はコロナウイルスで大変ですが、生き物達は待ってくれない イタボガキ編

ご無沙汰しております。どうも、サワディー改め、サワディ太郎EpisodeⅡです。
長く放浪の旅?に出ていたので、かなり久しぶりの投稿でございます。
最後に投稿した記事が、2016年12月27日に投稿した「クリスマスに一人ぼっちでブリ大根を作る」というヤバい記事になりますので、約3年5か月ぶりの投稿でございます。

さて、わたくし実は、昨年の4月におさかな試験場に異動になりまして、貝類増養殖の担当をしております。
今回は業務の一環?種の保存?いや生産技術の継承?のために実施した、イタボガキの産仔について、こっそりお伝えしようと思います。
写真①イタボガキ.jpg
まずはじめに、イタボガキについてご存じ無い方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にご説明を。
イタボガキは、マガキと同じくカキ目イタボガキ科に属する二枚貝で、見た目がボタンの花に似ていることから、ボタンガキとも呼ばれております。
マガキやノリなどの冬場の養殖業が盛んでなかった昔に、底びき網漁で漁獲されるイタボガキは、本県では重要な漁獲物でしたが、残念ながら、今では水揚げされることも稀で、消費者の皆様の手元に届くことはほとんど無い希少な貝でございます。

実はわたくし、貝類の担当をしているのに、いまだに食べたことがございません!!

平成14年に、おさかな試験場の偉大な先輩方のご尽力により、増養殖技術が開発されたのですが、イタボガキが持つ独特の風味や味のせいで、大々的に市場に出回らず、日の目を見ることはなかったのでございます。

ですが、時代は流れ、人の嗜好や食生活も変化しています。オイスターバーなどで、生でカキを食べる文化も日本で定着してきました。いつか、イタボガキが脚光を浴びるその日まで、生産技術を途切れさせるわけにはいかない!ということで、おさかな試験場では細々とイタボガキの生産技術が受け継がれています。

さて、前置きが長くなりましたが、6月の中旬、イタボガキの産仔盛期に試験を行いました。
写真②測定.jpg
おさかな試験場の小割生簀に垂下飼育していた親貝をきれいに洗浄し、重量と殻長を測定し、水槽に入れて産仔を待ちます。
ちなみに、イタボガキは卵胎生(卵を胎内でふ化させて子供を産む)のため、産卵ではなく産仔と呼んでおります。
写真③水槽.jpg
しばらくすると、親貝から幼生(イタボガキの赤ちゃん)が放出されました。水中に光を当てると、光の筋に幼生を確認することができます。
写真④D型幼生.jpg
こちらは顕微鏡で観察した写真でございます。アルファベットのDのような形をしていることから、D型幼生と呼ばれています。
これから約1か月間、この幼生を水槽で大切に育てます。

その後、マガキと同じように付着器を入れて種板を作り、沖出し、本垂下などの行程を経て、イタボガキは生産されます。

いつの日か、イタボガキが普通に食べられる日が来るまで、しっかりと技術を継承したいものでございます。

文責:サワディ太郎EpisodeⅡ

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