出汁を注ぐもの

みなさまこんにちは。
うどん県おさかな試験場のinehochiです。
明け方はまだまだ寒い日もありますが、だいぶ穏やかな気候になってきました。
おさかな試験場の冬の風物詩、屋島から吹き降ろす強烈な風、
通称「屋島颪」もほとんど吹かなくなりました。
一時は8度台まで下がった水温も、徐々にではありますが温んできていて、なんとなく、春の訪れを予感させますね。

閑話休題。
おさかな試験場の職員としては、水産資源をよりよく利用するための努力が欠かせません。
そんな使命感を身に纏いつつ(?)、本日ご紹介いたしますのはこちら!

①干物.jpg
ででーん

そう、皆様の期待に応えて!チェストバス…じゃなかったチワラスボです。
本場九州有明海の「ワラスボ」は、新鮮であれば生でもいただけるそうなのですが、今回は干物にしていただくことにしました。
前回の記事の最後の写真のとおり、内臓を抜いてカラッカラに干しました。

それでは調理&実食。
まず、かちかちになっている身をほぐすため、ハンマーでガンガン叩きます。
そして、ストーブであぶって身を裂きます。
②叩いた.jpg
匂いは、とってもふつうにあぶったおさかなの干物。おいしそう。
若干ドキドキしつつ、一切れ口に含みます。

ぱくっ。
こ、これは…!
あるのかないのかわからない身!
ぐにぐにとした食感で存在感を示す皮!
奥底でほんのりと控えめにかすかにささやくように香るうまみ!
…!

さて、先人の知恵は偉大なもので、可食部位が少ないおさかなの利用法として、
出汁を取るという手法があるわけです。
③出汁.jpg
ちょっとにごりが強いかな?

写真ではうまく写せなかったのですが、出汁の色は若干赤みがかっていました。
そしてやはり、香りは良好。
出汁を堪能するために、シンプルに塩をひとつまみ加えて大根を炊いてみました。

大根を炊いていると、なんだか懐かしい匂いが…
記憶を探ってみると、思い当たりました。
アミ大根の匂いだ!

【アミ大根とは?】
うどん県のお隣、O山県ではポピュラーな郷土料理。
エビっぽいけどエビではない、「アミ」と大根を炊いた料理です。
アミから出た出汁を吸った大根がバツグンにおいしい。


実はO山県出身のinehochi、おふくろの味を思い出しつつ、俄然期待は高まります。
④炊けた大根.jpg
炊きあがった大根は、ほんのりと黄色く色づいています。
(ちょっと目を離した隙に出汁が干上がったのはナイショ)
はてさて、若干ドキドキしつつ、一切れ口に含みます。

ぱくっ。
こ、これは…!?
イケるぞ!!
かつお出汁などのようにはっきりとはしていないのですが、じんわりとさりげないうまみがあります。
頭も入れたせいか、若干独特のクセは感じますが、おさかな好きな人には全く気にならない感じ。

同じハゼ科の「マハゼ」でも、焼き干しにして出汁を取る地域があるように、ハゼ科のおさかなは出汁をとるのに向いているようですね。
チワラスボ、見た目と違ってなかなか繊細な味のおさかなでした。
みなさまもぜひ…とは言いませんが、めぐり合わせた時には物は試しと味わってみてください。

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